福祉とさをり織とわたし①

突然ですが、「さをり織」ってご存知でしょうか。

知らなくても全然大丈夫です。
私も知りませんでした。

こんな感じの織物です。

「さをり織」とは1970年ごろに大阪で始まった手織りの布のことで、「工業製品のような均一さではなく、織り手の個性が反映された布」を作品として制作します。

自由な発想で織ることができ、ほつれや抜けなども個性とみなされる間口の広さから全国に広まりました。
織った布はそのままアートととして作品化されたり、服や小物に仕立てることもあります。

服として着ると華やかな印象になります。

この「さをり織」は障害のある方々にもハードルなくチャレンジでき、個性的な作品が仕上がることから、全国的に福祉施設の作業の1つとして取り入れられています。


石巻でも複数の福祉施設で取り入れられ、障害を持つ方々の手仕事の一つとして採用されています。




そんな「さをり織」を活動のメインに据えた石巻市内の施設に「地域活動支援センターこころ・さをり」がありました。
東日本大震災の前には湊地区の商業ビルの2階を借りて毎日10数名の利用者さんが通っていましたが、震災後に活動する場所がなくなり、石巻市の支援で仮設恵み野団地の集会所の一角をお借りしていました。

さをりの織り機。織る方の身体の特性に合わせて、さまざまなバリエーションがあります。

私は震災後の3年間、こちらの施設で通所される方の支援の傍ら、施設の復旧のための仕事をしていました。
(現在は「織音(おりおん)」と名前を変えて中浦に施設を構えました)

それまではいわゆる障害を持った人との交流の経験はほとんどなく、小学校の1,2年生の時にダウン症の同級生が一人いたくらいでした。



なので知らないことばかりでしたが、普段の生活ではあまり見かけないだけで、2018年の厚生労働省の発表では障害を持つ人は人口に対して7.6%の方々がいらっしゃるそうです。(13人に一人の割合ですね)

かつてはそういった方々を1カ所に集めてしまう、といった政策がとられていたようですが現在では「住んでいるまちの中で生活していく」という方針で進んでいます。
石巻でも、障害のあるなしにかかわらず自由にまちの中で暮らしていけるようなまちづくりを進めていく必要がありますね。



私が働いていた法人ではありませんが、石巻市内でいつでも障害を持ってる方々の活動に触れることのできるスペースをご紹介します。
石巻祥心会さんの「ギャラリーくらら」

まちなか、旧観慶丸商店さんの裏手にあります。(新内海橋の高架の下の道沿いに信金さんの並びです)
閉まっている時もありますが、かなり頻繁に障害者アートの展示がされていて、どなたでも自由に入っていってみることができます。(基本的に無料です)

他にも石巻市指定のゴミ袋の包装作業は石巻市社会福祉協議会の施設で行っていたりします!

意外と身近なところで、みなさん活動していらっしゃいますね。

福祉

Posted by TokoMariko